マナビ塾:10月28日(火)「太極拳」について実技指導付きで学びました!
10月のマナビ塾は太極拳を始めて14年の小林真砂子氏を講師にお迎えして、何故に太極拳に魅せられたのか、続けてこられた理由などをお話いただくとともに、「二十四式太極拳」指導者の新井富男先生のもと、緩やかに流れるようにゆったりとした太極拳の動きを手ほどきいただきました。
冒頭、小林講師が千代田法人支社に初めて拠点長として赴任したときの支社長のお顔を受講者の中に見つけ、あらっ!と懐かしそうに、それでいて気恥ずかしげに思い出話から講座がゆっくりと始まったのでした。

〇太極拳と私 ~小林真砂子氏のおはなし~
小林講師と太極拳の出会いは、ご定年から数年経った2011年だったそうです。日本中を重く暗く蔽った3月11日の東日本大震災の直後、M9というその被害の甚大さに何とかお手伝いすることはないかと、しかし68歳という年齢にボランティアを阻まれ心を痛めていたところ、ある朝、自宅から6分程の”きたみふれあい広場”でたくさんの方々が体を動かしているところに遭遇。それもどの方を見てもびっくりするほど清々しく生き生きとしたお顔。しばらく見とれていると「これは太極拳という中国の武術ですが、ご一緒にいかがですか」と勧められ、その清々しく生き生きとしたお顔のご様子に誘われて、その日から毎朝ここ(ふれあい広場)へ来ることを心に決められたとのこと。
爾来14年。毎朝6時半から始まる太極拳に合わせ5時頃には起床、軽く朝食をして公園までノルディック・ウォーキング。公園では三々五々の挨拶から始まり、ストレッチ、気功、太極拳の順で約一時間の運動。心身ともに晴れやかな、清々しい気分の一日の始まりは、すっかりルーティーンとなり大切な生活の一部になっているそうで、例えば旅行に出かけても、帰宅の翌朝より同じリズムで朝をスタートさせているとのことでした。
太極拳は人間の体を含め全ての物事には陰と陽があり、そのバランスが崩れないように整える、つまり人間が本来持つ自然な治癒力をいわば生命力を高めるものでもありまして、毎朝の太極拳の深い呼吸が知らず知らずのうちに自分自身の自然治癒力を高めてくれているのではと。おかけで大きな病気やケガもなく、今では太極拳の場に行けることが大切な宝のように思い、参加することに魂が籠っているように感じていらっしゃるそうです。「続けていて本当に良かった!」と柔らかい笑顔をお見せくださいました。
そしてここからは毎朝太極拳のご指導をされている新井富男先生にバトンタッチ。多いときは100名も集まるとお聞きし、ホーと感嘆の声を上げながら受講者全員で太極拳に挑みました。

〇二十四式太極拳の体験 ~新井富男先生による実技指導~
太極拳は、中国武術から発し、東洋哲学の重要概念である太極思想を取り入れた拳法であり、戦わぬ事を最上に見る最弱最強の拳法ともいわれているそうです。
いくつかの流派、派生種目がありますが、主要技術には「リラックス」「争わない競わない比べない」「肩の力を抜く」「心を静かにする」等が並びます。
また「注意、学習、記憶、知覚」などの健康な成人の幅広い思考スキルにプラス効果があるとのレポートもあって、現在では健康・長寿によいと健康法・健康体操の一種として世界に広まっています。今回ご紹介するのは、太極拳の中でも二十四式太極拳(簡化太極拳)といわれ、主要な二十四の動作から構成されています。それではまず、二十四の動作をご覧いただきましょう」と新井先生による演技が披露されました。
緩く流れるように、そして柔らかく大きくのびのびと手・足・体が動いていく。 思わず拍手が起こります。
先生曰く、準備運動にも意味があるとのこと。
基本のツァイソ(腰ふり・三つの型からなる)で始まります。腰をゆっくり振りながら、踵を上げたり、背中のツボを叩くように手を振り上下させてでんでん太鼓になってみたり。十分体が温まってきたところで太極拳に入ります。

まずはチーシー(起勢・きせい) 始めの姿勢。これは立ち方を言いますが、リラックスして骨で立つのですと。クワ((股関節)を少し曲げたような、高い椅子に座るような感じをイメージしてください。膝は自然に曲がった状態。踵に重心をのせると安定しますよと。
先生の説明に、骨で立つ?? クワ? と思い思いに初めの姿勢を作ってみますが、なかなか思うようにいきません。
その姿勢で、両腕に力を入れずにゆっくり肩まで動かし上げます。さらにその手をお風呂の蓋を鎮めるように下げていきます。そして右をちょっと開きボールを持つ(30センチくらいの水球のイメージ)。そのボールをもって左足を出してボールをつぶします。太極拳のゴンブー(弓歩)という基本中の基本の歩型です。

チーシーからゴンブーへ。左手は手鏡に、右脚は伸びて、手も足も同じ方向を向く。
うーん難しい!こうして指導は次のイエマフェンゾン(野馬亮髪:野原を毛ける馬のたて髪のように) パイホリアンチ(白鶴拗歩:白い鶴が羽を広げるように)へと続いていきました。

熱心な先生の実技指導にあっという間に時間が過ぎ、四つ目の動作のロウシヤアオブ(楼膝拗歩)では腰の回転を使って相手を払うわざを教わり、互いに技をかけあってみたりとなんだか形だけは様になってきたような体験に、いつのまにか皆さんが笑顔になって笑い声まで聞こえてきたのがとても印象的でした。
太極拳の楽しさとともにその奥深さに触れさせていただき、小林講師、新井先生お二人には心から御礼申し上げる次第です。
今からでも無理なく始められて、健康法としての効用も。皆さま是非太極拳に触れてみてくださいませ。

最後になりましたが、小林講師がお話の中で触れておられた”きたみふれあい広場”について一言。小田急線成城学園前と喜多見駅の中間にある小田急線の電車車庫の上に造成された人工の公園で、広さ約27、000㎡、地上10m。眺望もよくお天気のときは富士山も見え、近くに野川も流れて白鷺の群れも遊ぶところだそうです。ハイキングによさそうとの声が上がっておりました。⇒ 本部喜楽会HPの東京都支部紹介ページの投稿箱「私の稽古と学習」に2024年8月18日付で太極拳をテーマに小林講師が投稿されていますので、そちらも是非ご覧ください。
次回は 11月28日(金) 13:30~藤岡晴美氏を講師にお迎えしての「養蜂10年目を迎えて」を開講いたします。どうぞ皆さま楽しみにお申込みをお待ちしております。
【 マナビ塾世話役 栗原麗子 記 】
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