ハイキング同好会:10月29日(水)「旧安田楠雄邸庭園と森鴎外記念館」見学に行ってきました

10月29日(木)、東京メトロ千代田線「千駄木駅」の2番出口に、参加者22名全員が定刻の12時50分にお集まりいただきました。

集合時に幹事から当日の案内が配布したうえで、班長の続谷さんの号令・案内の元、徒歩約10分の「旧安田楠雄邸庭園」に向かいました。

今回は、いつも企画・案内誘導くださるお世話役の薮内さんが、アキレス腱断裂された為、残念ながら初めての不参加となりました。それゆえかハイキング同好会をこの日も無事に成功させて、進行を心配?されているであろう薮内さんにいい報告ができるよう、幹事は元より参加者全員が何も話さずともより一層真剣な雰囲気での集合となったように感じました。

途中にある加賀藩の屋敷跡の須藤公園を抜けていくと、10メートル程の滝があり、趣のある公園を後ろ髪をひかれつつ歩くとまもなく旧安田楠雄邸庭園に着きました。

旧安田楠雄邸庭園は、大正8年(1919年)に「豊島園」の創始者である藤田好三郎氏によって創建されました。その後旧安田財閥の創始者・安田善次郎氏の女婿・善四郎氏が買い取り、住まわれていましたが、平成7年(1995年)にご当主の楠雄氏が亡くなられた後、夫人が公益財団法人に寄贈されたもので、敷地面積は約450坪、建築面積は約140坪だそうです。

今回は、前もって予約している約40分間のボランティアガイドさんによる説明付きです。玄関で靴を脱ぎ貴重品以外のバッグを預けてから、ガイドさんの誘導で邸内唯一の洋室である応接間へと向かいました。

一歩入ると、重厚でシックな室内には磨きこまれた木製のテーブル、蓄音機、戸棚などの美しい特注の家具調度品が当時のまま置かれ、豊かで温かな生活の様子が伝わってきます。ガイドさんからそれぞれに彫刻が入っているとの説明で、その手の込んだ美術品ともいえる家具にうっとりです。カーテンは当時の物がかかっており、ソファーの生地とカーペットは、当時のものを再現し新たに織られたもので、精巧にできているので同じく作るのは技術がいったそうです。以前のソファー生地が額に入れられ横に置かれていました。応接間には庭に沿って広く庭を眺めるのに絶好なサンルームがついていました。

家屋は東西に広がっており、西に進んだ「残月の間」の床の間は、京都の表千家の残月亭を写し作られたそうです。こちらの床の間は奥行が深く、そこに合わせて作られたひな壇が今も桃の節句に合わせて公開されているそうです。

応接間以外は、畳の間となっていますが、畳表は「せとなみ」という今では希少ない草で作られている為、ささくれがおこっていないそうです。

その他、1階の部屋の畳を上げて階段を10段降りると、かがまずに立って歩ける程の高さの防空壕が掘ってあり、家がつぶれても逃げられるように庭に出口があったそうです。(現在はふさがれている)この防空壕は4月と7月に公開されているそうです。

その他、楠雄氏は、結婚の際嫁がれる夫人のためにアイランドキッチンにリフォームされ、驚くことに大正6年当時にはガスが引かれていたそうです。これは、ご近所に東京ガスの社長さんが住んでいたことから実現したとの逸話でした。

その他、当時そのままのガラス窓の美しさや、毎日ボランティアスタッフ方が107枚の雨戸を開け閉めしており、万一雨樋が壊れると直せる職人さんが少ないので丁寧にしていること、清水建設が建てたことがきちんと彫ってあること等々、正に見所満載で、勉強熱心なガイドさんから次々と語られる貴重な話に関心しきりの時間でした。

その後10分程おのおの自由に見学し、出る際に、前庭で22名全員で記念写真を撮りました。写真には入りきれませんでしたが、スダジイの大樹が繁り、風情を感じさせてくれました。

次に徒歩5分程歩き「森鴎外記念館」を見学しました。

こちらは、鴎外が昭和11年(1922年)に没するまで、数々の名作を著した旧居「観潮楼」跡地にあり、平成24年(2012年)に生誕150年を記念して建てられました。

鴎外が住んでいた頃は2階の窓から東京湾が遥かに見えたことから名づけられたそうです。

常設展の他に時期によってさまざまな企画展が行われており、この日の企画は「鴎外最後の4年間/帝室博物館総長兼図書頭・森林太郎」でした。(2026.1/12まで開催)

こちらは予定通り係員さんからの10分程の簡単な説明を予約無しで聞くことができました。常設展入口には鴎外の胸像が展示されており、中に入ると、鴎外の生涯を写真付きの年表で紹介されていました。10歳で上京してから医者を目指しドイツ語を学び東京大学医学部、陸軍軍医、ドイツ留学、帰国後軍医のかたわら小説や翻訳をし、問題を抱えながらも突き進んでいく様子、書簡や執筆原稿、手紙を見てから各自で見学しました。

映像コーナーもありましたが、時間が押していたため、視聴しませんでした。

館内は写真撮影禁止とのことで、庭園の大イチョウや、1階エントランス等で自由に写真を撮ったりしました。

予定の時間を大幅に過ぎたため、記念館出口で解散となりました。

その後、懇親会を行う上野広小路の「ガスト」を目指して、16名で「千駄木駅」から地下鉄で2駅目の「湯島駅」に移動しました。

幸い奥の4テーブルに案内され、テーブル毎に飲み物や料理を注文し、和気あいあいと楽しい時間を過ごし、この日2回目の解散となりました。お店を出るとあたりはすっかり暗くなっており、皆それぞれに無事に帰路につきました。

次回11月13日(木)は「鎌倉散策~悲運の義経物語の地をめぐる」ですが、既に定員に達しましたのでご了承願います。

【 ハイキング同好会幹事:金子 恵 記 】

 

Views: 174

ハイキング同好会:10月29日(水)「旧安田楠雄邸庭園と森鴎外記念館」見学に行ってきました” に対して4件のコメントがあります。

  1. 杉本桂子 より:

    歩く距離は、少なかったですが都心にこんなに素敵なお屋敷が、あることすら知りませんでした。素晴らしいガイドさんの話に聞き入り、一つ一つのお部屋の作りに、びっくりするような装飾、素敵な照明に、なんと日本の匠の技術に驚かされました。
    2階の和室から見る庭の素晴らしさに感動でした。毎回幹事さん方の事前の確認をして下さることでスケジュール通りのツアーに感謝を致します。有難うございました♪♪

  2. 村尾晶子 より:

    今回は代表の薮内様の怪我で、指示を頂いてのハイキングでしたが、参加者全員の一致団結で無事に予定通りに終えることが出来ました。特に委員長続谷班長の大活躍で道に迷うことなく、スムーズに懇親会迄をリードして下さいました。聞くところによると下見に2~3回は行かれたとの事で本当に感謝です、有難うございました。

    安田邸の玄関に先ず驚きでした。スノコの靴脱ぎ場、玄関奥に手荷物を置く薄暗く狭い土間など、今では目にする事が無い昔のままの光景でした。
    南側の庭園を望むことが出来る細長い廊下、窓ガラスなども昔のままで、太陽の動きに合わせて移動し、過ごされていたとの事です。
    唯一洋間である応接間には、木目が素晴らしいテーブル、素敵なカーテン、蓄音機など優雅な生活がうかがわれ、本当に癒される素晴らしい時間でした。都心に近い場所ですのでこれからも都合をつけて出かけてみたいと思います。有難うございました。

  3. 中富 洋子 より:

    ハイキング同好会幹事:金子 恵 様
    ハイキング同好会「旧安田楠雄邸庭園と森鴎外記念館」見学の皆さま

    緊張の集合に始まったハイキング同好会に何かと驚きました !
    薮内様くれぐれもお大事になさってください。

    旧安田楠雄邸庭園は随分古い近代建築ですが、多くのボランティア活動により、
    保護対象・保護資産として、昔のまま大切に保存されていることを
    皆さまのコメントでもよく分かりました。あの当時にアイランドキッチンいいですね!
    防空壕が掘ってあるのは驚きですが、第一次世界大戦すぐ後の建築、関係者の
    後世に引き継いで行く気概を感じました。

    また、旧安田楠雄邸庭園は、昨年の能登半島地震で、お店が半壊した七尾の呉服屋「凛屋」さんが、
    加賀友禅の展示会を開いたと地元ニュースで知りました。多分支援の一環か、これもご縁ですね。
    そのあとの「森鴎外記念館」興味深い喜楽会ゼミ !

    〆はガスト、珈琲タイムでホッとされたご様子お疲れ様でした。
    キーパーソン不在でしたが、続谷委員長様はじめ、皆さまの協力で素晴らしい
    同好会を実行された事を閲覧させていただきました。

    石川県支部 中富 洋子

  4. 金子恵 より:

    石川県支部 中富副委員長様

    ハイキング同好会にいつも温かいコメントを頂きましてありがとうございます。
    今回はいつも企画下見案内とお世話役をして下さっている薮内さんが初めての欠席の中、続谷委員長の班長役の元、皆で協力して無事に楽しむことが出来、おかげ様で日頃の感謝を改めて感じることができました。

    能登半島地震で半壊された老舗呉服屋「凛屋」さんの展示会が旧安田楠雄邸庭園にて行われたとのこと、加賀友禅の落ち着きのある伝統的な美しさが、意匠の建築にさぞかしまた美しく映えていたのではないかと拝察いたします。

    ハイキング同好会を続けられる日常に感謝しつつ、今年度最終の12月企画も無事に開催できることを願っています。

    日増しに寒くなって参りました。
    中富様、石川県支部の皆様、どうぞ御自愛下さいますようお願い申し上げます。

    ハイキング同好会幹事 金子恵

中富 洋子 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です