マナビ塾:7月27日(月)東京オペラシティのバックヤードを探訪して来ました。
ホッと一息つく落ち着いた日差しの7月27日(月)、マナビ塾は西新宿に建つ「東京オペラシティコンサートホール」でフィールドワーク、そのバックヤードを含め隅々まで探訪してまいりました。
今回私たちマナビ塾の面々を直々にご案内いただき興奮で目を見張らせてくださった講師は後藤二郎氏。”公益財団法人東京オペラシティ文化財団ホール事業部長”としてコンサートホール・リサイタルホール等の運営に携わっていらっしゃいます。もちろん日本生命保険(相)にご入社され様々な部門をご経験後出向で来られているとのことですが、定年まであと数か月を残しているのですよとお話くださいました。
また後藤講師は、日生混声合唱団の指揮者としてもご活躍、仕事と趣味嗜好がピッタリはまっているようにお見受けいたしました。
東京オペラシティコンサートホールは初台駅東口改札から誘われるようにエスカレーター、そして3階まで続く広く緩やかな大階段のガレリア(屋根付き回廊)となっており、まるで私たちを非日常の世界へ導いてくれるようでした。当日はコンサートがなくコンサートホールはすべて私たちが独り占め、集合した正面入り口から探訪が始まりました。
[1]「東京オペラシテイ」とは [講師説明]
1) 「東京オペラシティ」は地上54階建ての超高層タワーを配し、オフィスゾーン・商業ゾーン・芸術文化ゾーンで構成された大規模複合施設として1996年に西新宿の地、京王新線『初台』駅に直結して竣工した街区の名称であり、ビル全体の32.97%を日本生命が筆頭オーナーとして保有しています。
2) 劇場都市と称される「東京オペラシティ」は,隣接する新国立劇場の未使用容積を買受するにあたり、”その容積の10%以上を文化施設とする契約を期間60年”で締結しています。
3)東京オペラシティ内に建設された文化施設は、①コンサートホール(タケミツ・メモリアルホール)・ ②リサイタルホール・③リハーサルルーム・④アートギャラリーから構成されていて、その4施設を東京オペラシティ文化財団が管理しているということになります。
4)この4つの文化施設の筆頭オーナーが日本生命、持分44.82%を所有しています。
[2]コンサートホールの特徴 [講師説明]
1)音響・内装デザイン
東京オペラシティ文化施設のメイン、コンサートホールは、世界的に高い評価を獲ている音響・内装デザインにあります。
著名なコンサートホールのデータを集めて理想の音響となるよう設計されており、一番大事なステージ床は世界TOP2といわれるボストンシンフォニーホールが使用している「樺桜」を北海道から入手したもので、音の残響は約2秒です。
もちろん残響だけではなく、「リフレクトグラム(親密感・・演奏者までの距離の感じ)」・「クラリティ(透明感・・各楽器セクションの空間的分離)」・「ストレンクス(音量管・・音のダイナミクス)」等々、音響としてすべての条件が揃うよう30年間メンテナンスしていますしこれからもしていくでしょう。
内装は木製、落ち着いて暖かい感じがしますが、実は消防法上の制約から、木製は大変難しく他では類を見ない非常にまれな内装です。
2)公演団体の豪華さ
30年ぶりの大改修を6月末に終了したばかりですが、年間300公演、サントリーホールに次ぐホールとともにわが国を代表するホールとの認知を得た当ホールは、東京フィルハーモニー、東京交響楽団、東京シティ・フィル、バッハ・コレギウム・ジャパンの定期公演、NHK交響楽団、読売日響、新日本フィル等の他、日本音楽コンクール、国際指揮者コンクール、テレビ番組「題名のない音楽界」・「粗品と絶品クラシック」、ウィーン少年合唱団等々のコンサート等にも使われています。
[3]フィールドワーク時の感激ポイント [参加者からの声]
1)エントランスロビーにて
コンサートホール正面入り口から始まるエントランスロビーの空間は、1階から3階まで吹き抜けで天井高11.3m、ゆったりした空間が広がっていますがひと際目を引くのが、天井から吊り下がる布、6枚の拡大写真が継ぎ目のない大判の面スクリム(紗幕)に印刷されています。クリスチャン・マークレー氏の作品とか。ホワイエ中央にはコンサートホール名に付け加えられている「タケミツメモリアル」を記念した武満徹氏の銅板レリーフも、飾られていて印象的でした。
クロークを裏側からも見学させていただきましたが、お預かりしたコートや荷物の置きやすそうなこと。お客様ではなく働く人の目線に立った視点はめったにできない経験でした。
2)コンサートホールにて
客席数1632席の コンサートホール1階のドアをそっと押して客席に入りますと、そこにはシューボックスタイプの、高い天井の先に大胆な変形ピラミッド形状の三角形天窓を配したホールが現れました。天井高27.6m、自然光が入る大きな楽器のようなホールでした。
正面に据えられたパイプオルガンは圧巻。54ストップ3段手鍵盤+足鍵盤とか。2階席の見学の時、パイプオルガンの足鍵盤に触りそうなくらい超至近を通らせていただきました。怖いくらいの近さ!
壁はヨーロピアンオーク、床は楢と徹底的に振動体・共鳴体として優れた天然木の内装に拘ったという意味が、演奏されていないにもかかわらず伝わってくるホールに皆さんのため息が聞こえてきました。そっと内壁に触れている方も。
客席はお客様の視点から、前の方が邪魔にならないように配置されていました。

「ステージに上って演奏者から見える景色をどうぞ!ピンヒールの方はいらっしゃらないですよね?」と講師に促され、ご自慢の樺材で作られたステージに上がらせていただいたきました。ステージには重い楽器を引きづったあとや指揮者の方が立たれる真ん中を記した印等を確認。ピラミッド形状の天井もいつもの客席からとは違う眺めに感嘆し、皆さんしばしステージに留まっていました。

3)楽屋及びアーティストロビー等にて

コンサートホールに付随した楽屋にはアーティスト用個室、大部屋用と何部屋も用意されており、個室には広い窓、トイレ、部屋によってはピアノ、シャワー室も完備されていました。「え~ ロストロボービッチさんが座ったソファかも」とか、ミーハー的にお部屋を覗き、座ったり触ったり、あやかりたい~! とほほえましい光景でした。
広いアーティストロビーもゆったりとした雰囲気が醸し出されて演奏前の心地よいひとときを過ごせそうでした。
アーティストロビーにはコンサートでホールを訪れた演奏者の方々からいただいたサイン色紙が飾ってあって、小澤征爾さん?岸田京子さん? とこれまた大騒ぎ。

このほかにリハーサルルームとリサイタルホールも見学させていただき、余すところなく東京オペラシティのバッグヤードを堪能させていただいた1日となりました。
そうそう、コンサートで使うピアノはスタインウェイやベーゼンドルファー他計5台を揃え、どのような要望にも応えられるようにしているとのこと。日本トップクラスのコンサートホールの矜持を感じました。
後藤講師にはお時間を割いていただき、オペラシティのご案内、そして会議室での資料に基づいての講義をありがとうございました。ホッと一息ついた時のお茶の差し入れまで、ご配慮に感謝申し上げます。
講義の最後に「来年度は開設30周年記念行事の年、着々と準備を進めておりますがきっとお楽しみいただけるでしょう!」のお言葉がありましたが、我々としましても素晴らしい記念行事になりますことを心からお祈り申し上げております。
次回は 9月15日(火) 13:30~ 「街道を歩く・海外編サンティアゴ・デ・コンテスポーラへの道」を開講いたします。
帰国されたばかりの中村昭講師をお迎えしての「街道を歩く」第2弾です。さぁて、どのようなお話を聞かせていただけるのか、大勢の皆様のご参加をお待ちしています。
【 マナビ塾世話役 栗原麗子 記 】
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